教室の紹介

小児急性疾患学講座について

スタッフ紹介

鷲尾 洋介教授小児科専門医・指導医、周産期新生児医学会専門医、NCPRインストラクター
津下 充准教授小児科専門医・指導医、アレルギー学会専門医・指導医、感染症学会専門医・指導医、小児感染症認定指導医(専門医)、抗菌化学療法認定医・指導医、Infection Control Doctor、小児栄養消化器肝臓認定医
  • 2013年4月1日 開設
  • 2013年4月~2014年3月 萬木章准教授、大野直幹講師
  • 2014年4月~2014年10月 萬木章准教授、藤井洋輔助教
  • 2014年11月~2018年3月 池田政憲教授、藤井洋輔助教
  • 2018年4月1日 継続
  • 2018年4月~2019年9月 池田政憲教授、津下充講師
  • 2019年10月~2023年3月 鷲尾洋介准教授、津下充講師
  • 2023年4月1日 継続
  • 2023年4月1日〜現在 鷲尾洋介教授、津下充准教授 

小児急性疾患学講座の目標とその活動

① 福山市小児二次救急医療体制の維持・向上を目指して

 広島県東部および岡山県西部の県境を挟んだ福山・府中・井原・笠岡地域は、人口約100万人(福山市47万人)、小児人口約10万人、出生数約4,000人/年の医療圏です。この医療圏の小児科医師、特に二次救急医療を担当する病院勤務医師数が不足したことによって、小児二次救急医療体制による輪番当番制に多くの空白日が生じました。

 本講座は、福山市における小児救急医療体制の維持と向上、効果的・効率的な医師の供給システム、高次医療体制の構築を目標として、2013年4月に広島県/福山市からの要請・寄付を受け開設されました。 当講座の開設以降、小児二次輪番救急医療体制の維持を目的に福山市基幹病院への当直業務支援を行い、福山市における小児二次輪番体制の空白日は現在まで解消されています。また、福山医療センター新生児集中治療室(NICU)への当直業務支援を継続して行なっております。

② 福山市民病院への小児救急拠点病院の設置に向けて

 当講座開設時には福山・府中・井原・笠岡医療圏には小児救急拠点病院は設置されておらず、4病院(福山市民病院・福山医療センター・中国中央病院・日本鋼管福山病院)による二次輪番体制が敷かれていました。長期的に継続可能な小児医療体制の構築のために、この医療圏に小児救急拠点病院の設置を早急に行なうことが望まれておりました。

 小児科勤務医の増員については、2019年度には福山市民病院の勤務小児科医は6名でしたが、2020年4月から8名体制、10月から9名体制、2021年4月から11名体制となりました。そして、2020年10月に小児二次輪番体制を福山市民病院へ完全集約化され、2021年4月には福山市民病院が小児救急医療拠点病院の指定を受けました。現在、福山市民病院小児科は24時間365日の体制で福山市における小児救急医療を担っています。基幹病院や診療所との病診連携を深め、小児医療ネットワークの構築を進めていく方針です。

③ 福山市における充実した周産期医療体制に向けて

 広島県では総合周産期母子医療センターは2施設(県立広島病院・広島市民病院)設定されていますが、広島県東部への総合周産期母子医療センターの設置は以前より強く望まれています。福山市における総合周産期医療センターの設置を目指し、福山市民病院、岡山大学医歯薬学総合研究科周産期医療学講座と連携して計画を進めています。これらの構想に対する、地域医師会、小児科医会などの小児診療の関係者に対する同意形成を進めております。

主な活動内容

岡山大学での活動

  1. 周産期・消化器・感染症における専門的な診療
  2. 専門医(周産期新生児専門医・感染症専門医・アレルギー専門医)の養成
  3. 医学生、初期研修医、後期研修医への教育
  4. 周産期・小児急性疾患に関する講演・学会発表・論文報告

福山市での活動

  1. 福山市基幹病院における活動
    • 福山市民病院小児科での診療補助と専門外来診療(周産期・アレルギー)
    • 福山市民病院小児科での二次輪番当直業務
    • 福山医療センター新生児集中治療室(NICU)での当直業務
  2. 福山市基幹病院の救急体制の現状に関する調査・報告

広島県/福山市地域における病院外活動

  1. 福山市市民公開講座(年1回)
  2. 保育士に対する小児疾患講習会(年1回)

当講座(福山医療センターなどと共同)で作成したエピペン®の視覚教材

 当講座では、適切なアナフィラキシー対応の普及を目的としてアドレナリン自己注射薬(エピペン®)についての視覚教材を作成しました。医療者の指導とあわせてご覧ください。