診療グループ

血液・腫瘍グループ

<学 内>
鷲尾 佳奈講師(病院)小児科専門医、指導医
日本血液学会認定血液専門医、指導医
小児血液・がん専門医、指導医、評議員
日本造血・免疫細胞療法学会認定医
小児白血病研究会(JACLS)移植委員会 委員
日本小児がん研究グループ(JCCG) 長期フォローアップ委員会 委員
藤原 かおり医員小児科専門医、指導医
日本血液学会認定血液専門医
小児血液・がん専門医
日本小児がん研究グループ(JCCG) 支持療法委員会 委員
JCCG 再発ALL委員会 委員
石田 悠志講師(病院)小児科専門医、指導医
日本血液学会認定血液専門医、指導医
小児血液・がん専門医、指導医、評議員
日本造血・免疫細胞療法学会認定医
岡山大学病院 ゲノム医療総合推進センター 人材育成部門 副部門長
日本小児血液・がん学会 白血病・リンパ腫委員会 委員
日本小児血液・がん学会 専門医制度委員会 委員
小児白血病研究会(JACLS)ALL委員会 委員
日本小児がん研究グループ(JCCG) ALL委員会 委員
JCCG CML委員会 委員
JCCG 分子診断委員会 委員
JCCG scientific committee 委員
日本造血・免疫細胞療法学会(JSTCT)小児AML WGメンバー
JSTCT 小児ALL WG メンバー
JSTCT 小児CML/MPN WG メンバー・WG責任者
越智 元春医員小児科専門医
塩飽 孝宏医員 小児白血病研究会(JACLS)ALL委員会 委員
<客員研究員>
金光 喜一郎
<学 外>
小田 慈岡山大学名誉教授 特命教授
新見公立大学副学長
小児科専門医
日本血液学会専門医・指導医
日本癌治療認定医機構暫定教育医
小児血液・がん学会暫定指導医
西内 律雄高知医療センター小児科小児科専門医
日本血液学会専門医
日本小児血液がん学会暫定指導医
嶋田 明自治医科大学小児科小児科専門医
日本血液学会専門医・指導医
日本癌治療認定医機構がん治療認定医
日本小児血液がん学会専門医・指導医
造血細胞移植学会認定医
日本家族生腫瘍学会専門医指導医
血栓止血学会認定医
茶山 公佑市⽴豊中病院⼩児科小児科専門医
日本血液学会専門医
宮村 能子大阪大学小児科小児科専門医
日本血液学会専門医・指導医
日本癌治療認定医機構がん治療認定医
造血幹細胞移植学会認定医
日本小児血液がん学会専門医・指導医
佐藤 真穂大阪府立母子医療センター小児科専門医
日本血液学会専門医・指導医
日本癌治療認定医機構がん治療認定医
日本小児血液がん学会専門医・指導医
石田 敏章兵庫県立こども病院血液腫瘍科小児科専門医
日本血液学会専門医
村岡(山本)倫子福山市民病院小児科小児科専門医
日本血液学会専門医
金光 喜一郎岡山医療センター小児科小児科専門医・指導医
日本血液学会専門医
日本小児血液がん学会専門医
為房 宏輔国立がん研究センター中央病院 小児腫瘍科小児科専門医
日本血液学会認定血液専門医
小児血液・がん専門医
がん治療認定医

1.診療の対象

 小児血液・悪性疾患の診療を行っています。岡山県内、および広島県東部・四国各県・兵庫県西部など近隣地域から患者さんを受け入れています。悪性血液腫瘍(白血病、骨髄異形成症候群、リンパ腫、ランゲルハンス細胞組織球症など)、悪性固形腫瘍(脳腫瘍、神経芽腫、肝芽腫、腎芽腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、Ewing肉腫など)、良性血液疾患(再生不良性貧血、遺伝性溶血性貧血、免疫性血小板減少症、血友病など)等を対象として、地域の中核病院として幅広く診療しています。院内では、小児外科、脳神経外科、整形外科をはじめとした各外科や、放射線科、輸血部、緩和ケアチームなど他科とも密に連携し、患者さんごとにきめ細かな集学的治療を提供することを目指しています。重症患者診療における集中治療部の包括的サポート、理学療法部によるリハビリテーションも充実しています。
 岡山県内では小児科として唯一の骨髄バンク、臍帯血バンクの認定施設であり、HLA半合致移植も積極的に行っています。自家移植も含めて、年間10~15件程度の造血細胞移植を実施しています。細胞療法にも従事しており、難治B前駆細胞性急性リンパ性白血病に対するキムリア治療提供可能施設です。また、岡山大学病院はがんゲノム中核拠点病院に指定されており、入口としてのがんゲノム検査体制を充実させると共に、ゲノム医療の出口である治験等の早期相試験についても臨床研究中核病院として力を入れております。具体的には、2024年11月に小児・AYAがんを対象とした患者申出療養試験である「PARTNER試験(NCCH2220試験)」について、本邦で4施設目の実施施設となりました。また、小児科病棟には院内小学校・中学校があり、病棟専任の保育士も常時複数名擁しており、コロナ禍における入院生活を少しでも楽しくできるよう日々努力しています。2024年から岡山大学 教育学部(特別支援教育学 吉利宗久教授)との連携による遠隔教育支援の取り組みを開始しました。また、岡山大学医学部 医療情報化診療支援技術開発講座の長谷井嬢 教授と協力し長期入院患者のメタバース上の患者交流を行う等、患者さんの療育環境改善について先進的な取り組みを開始しております。小児固形腫瘍において保険収載されている陽子線治療については、中四国で唯一の陽子線治療施設である津山中央病院と連携を取っています。このように移植・細胞療法、陽子線治療、がんゲノム医療、治験などの専門性の高い医療に従事しており、そのような医療が必要な患者様について県内外を問わず積極的受け入れに務めております。該当の患者様がいらっしゃいましたらご連絡頂ければ幸甚です。
 2024年4月には岡山大学病院に新たに小児・AYAがん総合センターが設立されました。岡山大学病院小児科は小児・AYAがんの患者さんに対して包括的な医療体制を構築するべく、引き続き尽力いたします。

リンク
岡山大学病院 造血幹細胞移植推進拠点事業
岡山大学病院 ゲノム医療総合推進センター

2.研究内容

日本小児がん研究グループ(JCCG)、日本小児白血病・リンパ腫研究グループ(JPLSG)日本小児白血病研究会(JACLS)の参加施設として、小児がんの多施設共同臨床研究に積極的に参加し、前方視的臨床研究の研究事務局を務めたり、付随する検体研究を研究代表者として主導するなど、全国でも中心的な役割を果たしています。

また、その他にも多数の臨床研究に従事しており、全国学会・英文誌発表を行っております。これらの成果を以て当グループの為房宏輔、塩飽孝宏がそれぞれ2017年、2018年に日本血液学会中四国地方会若手優秀賞(品川賞)、石田悠志が2024年に日本小児血液・がん学会の学術賞を受賞しております。2023年には大学病院在籍中の当グループの医師が第一著者の論文が8本発表されました。2024年12月現在、我々が取り組んでいる主な研究は以下になります。

【岡山大学主管】

・小児がんサバイバーにおけるT細胞での老化マーカー・CDKN2A発現とフレイル・サルコペニアに関する研究(鷲尾、ハートリンク研究助成)

・子どもの意思決定支援のための「気持ち確認票」の導入に関する研究(鷲尾)

・小児・AYA世代悪性腫瘍患者および同種造血細胞移植患者におけるサルコペニア・栄養状態が有害事象発生および予後に与える影響についての研究(藤原、鷲尾、がんの子どもを守る会研究助成)

・小児がん診療における、症状出現から診断までの期間及び予後に関する後方視的検討(為房、越智、石田、鷲尾)

・小児におけるhematogoneの臨床的特徴(越智、石田)

・小児及びAYA世代の再発・難治性骨軟部腫瘍に対するPazopanib使用に関する後方視的研究(為房)

・岡山大学小児科におけるHLA半合致移植の臨床的特徴(塩飽)

・ヒエラルキーダイナミクスによる小児急性骨髄性白血病の正確な予後予測(石田、文科省科研費)

・慢性骨髄性白血病における遺伝子・染色体評価による予後予測性の検討(石田、公益信託日本白血病研究基金助成金 一般研究賞、日本血液学会研究助成など)

・小児・若年成人期ダウン症合併ALLに対する同種造血細胞移植の成績(石田)

・岡山大学病院小児科病棟における抗がん剤曝露の実態調査(石田、ファイザーヘルスリサーチ研究助成)

【他施設主管】

・小児白血病研究会(JACLS)ALL-02プロトコールで2008年までに治療を受けた小児急性リンパ性白血病(ALL)患者における肥満と、薬剤量変更が予後や有害事象に及ぼす影響に関する後方視的検討(東北大学)

・小児AML症例におけるH3K4、H3K27のトリメチル化と臨床像との関連性について(大分大学)

・JACLSにおける再発T細胞性急性リンパ性白血病の後方視的調査研究(浜松医科大学)

・小児急性骨髄性白血病における再移植の再評価(成育医療研究センター)

・小児がん診療における全ゲノム解析等の実装に向けた多施設共同前方視的観察研究 (JCCG-WGS、東京大学)

これらの研究の情報公開についてはこちらからご覧ください。

https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/index16.html

3.グループの特長

難治症例、造血幹細胞移植の対象症例、キムリアの対象症例、治験の対象症例などを中心に、中四国地方から広く患者様を受け入れている実績があります。症例のご相談などグループリーダーの鷲尾佳奈(wassy@md.okayama-u.ac.jp)までご相談ください。現在小児血液・がん学会の専門医取得に向けて3人が研修中であり、血液腫瘍、固形腫瘍、造血幹細胞移植、キムリア、治験、更には症例報告(英文誌投稿含む)などに幅広く従事しております。当院での小児血液・がん研修にご興味のある方は、短期研修も含めてぜひご相談ください。また、上記の研究遂行のために定期的なオンラインカンファレンスを行っています。こちらについても、ご興味がある方は鷲尾までぜひご一報ください。